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○○とはさみは使いよう

○○とはさみは使いよう

よしかた産婦人科の井畑です。

師走の忙しい毎日で気がつけばもうすぐお正月になってしまいました。文房具シリーズ第2弾として、今回は「はさみ」をとりあげます。


はさみというのは文房具の花形ですが、「書いて書いて書きまくる」ことはあっても「切って切って切りまくる」ケースはさほどありませんから使用頻度は多くはありません。また構造も単純なので「良いもの」=「高いもの」になってしまい、文房具好きとしてはちょっと残念でもあります。

実は医療の現場では結構ハサミは重要で、特に看護サイドでテープを切ったり針付きのチューブを切ったり案外使うことも多く、ポケットに入る携帯のハサミを常備していたこともありました。
 

自分が愛用していたのはこれで、小さいのになかなか切れ味が良く重宝していました。使っていた頃は知りませんでしたが、これ、日本製のちゃんとしたもののようですね。とても使い勝手が良くて携帯するはさみとしてはまちがいなく良いものだと思います。
 

実は、5年ほど前に新しいコンセプトのはさみが登場しました。その名もプラス株式会社の「ベルヌーイカーブ刃」
 

  はさみの刃は本来直線なので開き具合によって開く角度が変化するのですが、刃を曲線にすることによって「根元から刃先まで切断に最適な刃の開き角度(約30度)を保つベルヌーイカーブ刃」を新開発したとのことです。

 

  ベルヌーイと聞くと流体力学における「ベルヌーイの定理」のダニエル・ベルヌーイが有名ですが、ベルヌーイカーブの方はその伯父さんに当たるヤコブ・ベルヌーイからきているそうです。数学の世界でベルヌーイといえばこちらのヤコブさんでしょう。ちなみにヤコブの弟(ダニエルの父)であるヨハン・ベルヌーイという人もかなりの人物で、微積を勉強したひとなら知っている「ロピタルの定理」の本当の発見者らしいです。ベルヌーイというのは超天才の家系なのでしょうね。  

 

ベルヌーイカーブ刃が非常に売れたので、コクヨも似たような「ハイブリッドアーチ刃」というものを出してきています。


 

当然私もベルヌーイカーブ刃、買いました。で、使ってみたのですが、正直「なにこれ、いまいち」という残念評価になってしまいました。

まず、カーブした刃というのに慣れないので切るのが怖いんです。普通だったらこのくらい柄を動かせば切れているはずなのに切れておらず、間違って手を切ってしまいそうで、正直使うのをためらうほどでした。

切れ味そのものは悪くはなかったのですが、わざわざ買い換えるほどの切れ味とも思えません。厚いダンボールのような紙を切るには良いのでしょうが、薄いものを切る機会がほとんどなので、自分にはあまり向かないと思いました。

その後、料理用のはさみでこの「ベルヌーイ刃」のものが出てきたので、これならいいかもと思って購入しましたが、これは良かったです。具材は固くて厚いものがほとんどですので、料理用はさみこそベルヌーイ刃の本領を発揮する分野だと思いました。

 


料理用のベルヌーイはかなりお勧めできます。お年寄りなどの嚥下障害がある方のための刻み食などにも適していると思います。



 私はもともと外科医なので、修練の過程ではさみの使い方について練習や考察を相当してきています( ̄^ ̄)。
例えば左手ではさみを使うとうまくいかないのは何故なのか。 実ははさみには右手用と左手用があり、普通にある右手用を左手で使うためには力の入れ方にコツがあるのです。

これは「いらすとやさん」からお借りしたはさみで紙を切るイラストですが、右手ではさみを使うときは無意識に「親指で押しつつその他の指で引く」ことによってはさみの「刃面」がより狭くなるようにして切れ味を高めています。もし近くにはさみがあれば実際に持って使ってみるとすぐわかるのですが、刃面を近づけるような方向に力を入れるとうまく切れます。

これを左手で同じようにすると、刃面が遠ざかる方に力が働いてしまうのでうまく切れません。 「親指で引きつつその他の指で押し込む」ようにしないと駄目なんです。  これは通常の力の使い方ではうまくできないので、手術で「安全に安定して」左ではさみを使えるレベルになるにはかなり練習が必要です。



 最近、「ドクターX」が我が家でのブームで、私も結構楽しんで子供と観ているのですが、ドクターXこと大門未知子のメッツェン(外科用のはさみの一つ)の使い方がちょっと気になりました。彼女は右手で逆手に持ってメッツェンを使います。このやり方は深部の臓器を扱うには視野が広くなるので悪くなさそうで、私も過去に検討したことがあるのですが以下の理由で却下しました。

まず、逆手に持つと左手で持つのと同じ状況になり、親指で引かないとシャープに切ることができません。
また刃先を安定させるためにその他の指ではさみを押さえますが、普通は手のひらに近づけながら安定させるので簡単なのに、大門未知子流だと手のひらから離す方向に押しながら安定させなければならず、深い位置のリンパ節郭清などをやるには不向きです。
順手であれば、人差し指を固定に使う事で簡単に安定させることができます。逆手にしなくても、手首を柔軟に使って立ち位置を変えれば順手で十分きちんと手術できますので、逆手に持つメリットは一切ないと思います。

メッツェンの持ち方とガムシロップをがぶ飲みする点が残念なのですが、それ以外は非常に楽しいドラマだと思います。第6シーズンやスペシャル、あるいは加地先生のドクターYに続いて、鈴木浩介演じる「きんちゃん」の「ドクターZ」のスピンアウトに期待しています。


結局、今回のブログの結論は、「はさみは使い方がすべて」となりそうです。
ベルヌーイには文房具マニアとして相当期待したのですが、ちょっと残念でしたね。

2017-12-25 18:56:22

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